【ゴルフ】アンプレアブルとは?正しい救済措置や新ルール、バンカーからの対応を解説

基礎知識

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「ボールが木の下に止まって打てない」
「絶対に出ないようなバンカーに入ってしまった」

このような場合は「アンプレアブル宣言」も検討しましょう。

1打罰で救済を受けられるアンプレアブルのルールを理解しておけば、万が一の大叩きを防げる可能性があります。

しかし、アンプレアブルには細かいルールが定められており、適切な手順を踏めないとペナルティの対象となることも。

本記事では、ゴルフのアンプレアブルの正しい処置や新ルール、宣言すべきタイミングなどを解説しているため、ぜひ参考にしてください。

ゴルフのアンプレアブルとは|正しい処置を解説

アンプレアブル(プレー不可能)とはゴルフの救済措置の1つです。

アンプレアブル宣言を行い、1打罰を付加することで、以下のいずれかの処置を行えます。

・直前にボールを打った地点に戻る
・ラテラル救済エリア(ボールから2クラブレングス以内)にドロップ
・ホールとボールを結んだ後方線上にドロップ

アンプレアブルはスイングや脱出が難しい状況など、ペナルティエリアを除いてどこででも宣言が認められています

参考:ゴルフ規則 2023年1月施行

直前にボールを打った地点に戻る

プレーヤーはアンプレアブル宣言を行うことで、直前にボールを打った(ストロークした)地点からプレーが可能となります

これを「ストロークと距離の救済」と呼びます。

この救済方法では、元のボールが見つからない、もしくは確認できなかったとしてもアンプレアブル宣言をできる点が特徴です。

ラテラル救済エリア(ボールから2クラブレングス以内)にドロップ

救済を受けるボールの箇所を起点として、2クラブレングス以内の位置にドロップできる方法です。

これを「ラテラル救済」と呼びます。

ただし、ボールから2クラブレングス以内であっても、以下の2つの制限がある点に注意が必要です。

・元のボールの位置からホールに近付いてはいけない
・ラテラル救済エリアにコースエリアが複数ある場合、救済エリアにドロップした際に最初に触れたコースの救済エリアに止まらなければならない

一般的には、この救済方法が最もホールから遠ざからない方法となります。

なお2クラブレングスの測定は「パターを除く最も長いクラブ」で行うため、通常はドライバーになります。

コースエリアとは?

コースエリア」とは、簡単にいえば以下の5つを指します。

①ティーイングエリア
②バンカー
③パッティンググリーン
④ペナルティエリア

⑤ジェネラルエリア(ラフ・フェアウェイ等)

ジェネラルエリアを正確にいえば「①~④を除いた全てのエリア」です。

つまり「ラフにドロップしたが転がってバンカーに入った」といった場合は再ドロップとなります。

ホールとボールを結んだ後方線上にドロップ

3つ目の処置は、ボールの位置とホールを結ぶ後方線上にドロップする方法です。

ホールとボールを結んだ後方線上にボールをドロップして、最初に着地した点が基点となり、そこから1クラブレングス以内が救済エリアとなります。

ボールの後方線上であれば、後ろに下がる距離に制限はありません。

ただし、以下の2つの制限がある点に留意してください。

・元のボールの位置からホールに近付いてはいけない
・ドロップしたボールが最初に触れたコースエリアでなければならない

ラテラル救済エリアの処置よりもホールから遠ざかりますが、ライが良い地点やフルショットで打てる地点にドロップできる点が特徴です。

バンカーからのアンプレアブルの処置(2019年改正)

バンカー内であってもアンプレアブル宣言が可能です。

ただし、3つの処置のうち、以下の2つのいずれかを選択する場合は、バンカー内にドロップしてバンカー内に止まらないといけません

・ラテラル救済エリア(ボールから2クラブレングス以内)にドロップ
・ホールとボールを結んだ後方線上にドロップ

一方で「直前にボールを打った地点に戻る」を選択する場合は、バンカーの外でもドロップできます。

また、2019年に改正されたルールとして、以下のような定めが導入されました。

・2打罰を受け、バンカーの外側かつボールとホールの後方線上にドロップできる

そのため、バンカーからのアンプレアブル宣言でプレーヤーが取れる選択肢は以下の4つとなります。

・直前にボールを打った地点に戻る(1打罰)
・ラテラル救済エリア(バンカー内)にドロップ(1打罰)
・ホールとボールを結んだ後方線上(バンカー内)にドロップ(1打罰)

・ホールとボールを結んだ後方線上(バンカーの外)にドロップ(2打罰)

参考:ゴルフ規則 2023年1月施行

アンプレアブルの新ルール(2023年改正)

2023年のゴルフ規則の改正によって、「後方線上の救済」のドロップ方法が変更されました。

旧:ホールとボールを結んだ後方線上に基点を作り、ホールに近付かないように1クラブレングス以内にドロップ(基点からホールに近付いたら再ドロップ)
新:ホールとボールを結んだ後方線上にドロップして、基点(ドロップの着地点)からどの方向に転がっても1クラブレングス以内ならインプレー

つまり、以下の2点が変更になりました。

①後方線上に基点を作る必要がなくなった(直接ドロップする)
②ドロップした落下地点から1クラブレングス以内であればホールに近付いても良い

細かい話ですが、インプレーとなったボールを再ドロップであると間違って認識して、拾い上げてしまったら2打罰になるため注意が必要です。

アンプレアブルは任意の判断で宣言できる

アンプレアブル宣言には、基準や同伴者の同意は必要なく、プレーヤーが任意に判断できます。

反対にいえば「プレーヤーは自分のボールがアンプレアブルか決められる唯一の人」となります。

そのため「アンプレアブルを宣言すべき」と思ったら自分の意思でアンプレアブルを宣言し、救済措置を受けられるのです。

間違いやすいアンプレアブルの注意点

アンプレアブルは馴染みのない方が多く、規則も複雑です。

そのため、救済の処置を間違う可能性もあります。

競技に出ている方の場合、救済の処置を誤るとペナルティの原因となるため、細かい注意点を必ず確認しましょう。

ここでは、間違いやすいアンプレアブルの注意点を3点解説します。

必ずアンプレアブルを宣言する

アンプレアブルを活用する場合は、必ずアンプレアブルの宣言が必要です。

宣言なしにボールをピックアップして(拾い上げて)しまうとペナルティが課されます。

また、アンプレアブルを宣言する際にボールの位置へティーなどを置いておけば、後になって不要なトラブルに合うことも避けられるでしょう。

ペナルティエリアからのアンプレアブル宣言はできない

上記でも触れた通り、ペナルティエリアからはアンプレアブルの宣言ができません

そもそも黄色杭や赤杭のペナルティエリアにボールが入った際は、別途「横切った地点から2クラブレングス以内にドロップ」などのドロップ方法が定められているため、アンプレアブルを宣言する必要がありません。

暫定球をアンプレアブルの代用にはできない

暫定球をアンプレアブルの代用にはできない点にも注意してください。

例えば、一打目をOB方向の林に打ち込んで、暫定級として二打目を打ったとします。

ボールの地点に向かって一打目が見つかったものの、打てる状況ではなくアンプレアブルを宣言したとしても、暫定級を3打目として打つことはできません。

この場合、暫定級は放棄して必ず上記した3つ(もしくは4つ)のいずれかから救済方法を選択する必要があります。

アンプレアブルを使うべきタイミング

アンプレアブルは1打罰を受けるため、宣言するタイミングを見極める必要があります。

アンプレアブルを宣言する具体的なシチュエーションとして、以下のような場面が考えられます。

・林の深い部分に打ち込んで一打では出せない場合
・木の根元にボールがあるなど打てる状況でない場合
・顎の高いバンカーや、急斜面のバンカーで目玉になった場合 など

反対に「グリーンは狙えないが、前方向のフェアウェイには出せる」といったシチュエーションでは、アンプレアブルを宣言しないで確実にフェアウェイに出した方が特になるケースが多いです。

無罰で救済を受けられるケース

ボールを打てない状況でも、無罰で救済を受けられるケースがあります。

・ジェネラルエリアでボールが地面に食い込んだ場合
・動かせない障害物がスイングやスタンスの妨げになる場合
・ボールがサブグリーンに乗った場合
・ボールが水溜まりに入った場合 など

このような状況下の場合は、アンプレアブルで1打罰を支払うことなく救済を受けられます。

まとめ

今回は、ゴルフのアンプレアブルの救済方法や新ルールなどを解説しました。

1打罰を支払うことで、ペナルティエリアを除きいつでも宣言できるアンプレアブルは「1打では脱出できない」「ボールを打つことができない」といった際に、確実に打てる位置に救済を受けられます。

また、2019年にはバンカー内から2打罰で脱出できるようにルールが改正されたため、上手に使えば大叩きを防げる可能性があります。

プライベートゴルフでアンプレアブルを宣言する機会は中々ありませんが、ルールを厳守したい場合やコンペ・競技に出る場合は理解が必須ともいえるルールであるため、ぜひこの記事を参考にしてください。

この記事の著者
ゴルフシグナル編集部 渡邉

20代後半ゴルフ歴14年。学生時代は競技者としてプレーをしていました。皆さんのゴルフライフが少しでも充実する情報をお届けしたいです。

朝日新聞社・ベスティ・スカイAが運営する「golmicio(ゴルミーチョ)」のライターもしています。

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