本記事では、ドライバーを短く持つメリット・デメリットや、生じる変化などを解説します。
ドライバーを短く持つことで、ミート率の向上やミスの軽減につながり、スコアアップの要因となる可能性があります。
ドライバーを安定させてスコアアップを目指したい方は、一度は検討すべき選択肢でしょう。
しかし、スイングのバランスの変化や、ボールが上がりにくくなるリスクがあることも事実です。
ドライバーを短く持つ特徴を把握し、まずは練習から取り入れてみてはいかがでしょうか。
ドライバーを短く持つスイングは、体が回りにくい朝イチのティーショットにもおすすめです!
「朝イチのティーショットでスライスが出てしまう」といった方も、ぜひご覧ください!
ドライバーのグリップを短く持つ(チョークアップ)のはあり?
ドライバーの長さは45.5インチ前後が主流ですが、必ずしも最大の長さで握り、スイングすべきとは限りません。
グリップの根元を余すように短く持つ(チョークアップ)ことで、ミート率の向上やミスの軽減を実現でき、スコアアップに貢献する可能性があります。
「最初から短尺ドライバーを選べばいい」という意見もありますが、短尺ドライバーには以下のようなデメリットがあります。
- 市販クラブの選択肢が少ない
- シャフトカットなどに手間がかかる
- 元に戻せない
その点、クラブを短く握るだけなら誰でも気軽に試すことができ、調子に合わせてグリップする場所も変えられます。
本格的なシャフトカットなどは、一度チョークアップを試してからでも遅くはないはずです。
厳密にいえば、チョークアップと短尺ドライバーの効果は完全には同一ではありません。
クラブの重さやシャフトの硬さに変化が生じます。
しかし、チョークアップはコストを抑えて手軽に可能なので、まずはお試しで短く握ってみることをおすすめします!
ドライバーを短く持っているプロゴルファー
ドライバーを短く持つスイングは、一部のプロゴルファーにも採用されています。
ドライバーを短く持つ代表的なプロゴルファーは、以下の通りです。
- 今平周吾プロ
- 高橋彩華プロ
- 田辺ひかりプロ
- トミー・フリートウッドプロ
特に、今平周吾プロは、一般的には短めの44.5インチのドライバーをさらに短く握っています。
本筋からは少し逸れますが、以下のように言及しているインタビュー(*)もあります。
- ライによって短く持つ長さは変えるが、めいっぱい持つことはない
- アイアンは飛距離よりコントロール性が大事。ピンに正確に近づけるためのクラブなので当然短く持つ
ドライバーだけでなく、アイアンを短く持つスイングも検討したいですね!
* 2年連続賞金王・今平周吾のゴルフ哲学。「今季、クラブを替えられなかったワケ」 – ゴルフ総合サイト ALBA Net
ドライバーを短く持つことで生じる3つの変化
ドライバーを短く持つことでスイング生じる変化は、大きく以下の3つです。
- シャフトのしなり│しなりが減りキックポイントが手元に近づく
- 重さ│カウンターバランス効果が生じる
- 体とボールの距離│体とボールの距離が近くなる
各要素を詳しく解説します。
シャフトのしなり│しなりが減りキックポイントが手元に近づく
ドライバーを短く持つと、キックポイントが手元に近づく感覚を得られます。
- キックポイント:シャフトが最もしなる(曲がる)位置
シャフトの特性として、キックポイントが手元に近いほうが、しなりの量が少なくなることが挙げられます。
結果として以下のような変化が生まれます。
- インパクト時のしなりの量が安定する
→常に同じドライバーショットを再現しやすくなる - シャフトのしなりが減り、インパクト時に発生する上向きの反発が減少する
→打ち出し角が低くなる - シャフトのしなりやインパクト時のロフトが少なくなり、スピン量が減少する
→ボールの浮力が減る
ドライバーを短く持つと、シャフトが硬くなるような感覚も得られます!
重さ│カウンターバランス効果が生じる
ドライバーを短く持つと、カウンターバランス効果が生じます。
- カウンターバランス効果:グリップ側に重量を配分し、クラブの重心を手元に寄せる手法
クラブの重心が手元側に寄ると、ヘッドが軽く感じ、クラブを振りやすくなる効果が期待できます。
結果として、ヘッドスピードの向上やリズム・スイング軌道の安定化につながる可能性があるのです。
一方、ヘッドが軽くなりすぎると、腕だけで簡単にクラブを振れるようになり、かえってスイング軌道が不安定になる恐れもあるので要注意です。
通常、カウンターバランスを行うには、グリップに鉛を貼ったり、重いグリップに交換したりする必要があります。
しかし、ドライバーを短く持つことで、気軽にカウンターバランス効果を体験可能です。
体とボールの距離│体とボールの距離が近くなる
ドライバーを短く持つと、グリップの位置が自然と体に近づくため、アドレス時の体とボールの距離も近づきます。
体とボールの距離が近づくことで、以下のような変化が生じます。
- スイングが縦振り(アップライト)になる傾向がある
- スイングアークが小さくなる
特に「スイングアークが小さい=スイングの振幅が少ない」なので、ショットの安定性の向上に近づきます。
ドライバーを短く持つ5つのメリット
ドライバーを短く持つ主なメリットは、以下の5つです。
- ミート率が向上する
- ボールが曲がりにくくなる
- クラブが振りやすくなる
- 心理的な余裕が生まれる
- 低弾道のボールを打ちやすくなる
各要素を詳しく解説します。
ミート率が向上する
ドライバーを短く持つと、ミート率が向上しやすくなります。
- ミート率:ボール初速をヘッドスピードで割った値。大きいほど効率良くヘッドの力をボールに伝えられていることを意味する
より簡単に説明すると「同じヘッドスピードであれば、ミート率が高いほど飛距離が出る」といえます。
ミート率を上げるには、ボールを芯で打つことが重要です。
ドライバーを短く持つと、体とボールの距離が近くなり、インパクトゾーンでのスイングのブレが少なくなるので、ボールを芯でとらえやすくなります。
結果として、ショットの初速が向上し、飛距離アップを実現できる可能性があります。
ボールが曲がりにくくなる
ドライバーを短く持つと、ボールが曲がりにくくなる効果を期待できます。
理由は、大きく以下の2つです。
- シャフトのしなりが減少し、インパクトが安定するため
- クラブを短く持つ分、同じスイングでもインパクト時のフェースの開閉の角度が少なくなるため
ボールが曲がりにくくなれば、OBや林に打ち込む回数が減少し、パーオンを狙いやすくなるでしょう。
また、ドライバーを短く持てば、振り遅れのミスを防止できる効果も期待できます。
振り遅れて大きなスライスが出てしまう場合も、ドライバーを短く持つ打ち方がおすすめです。
体が回りにくい朝イチのショットでもOBを避けられそうですね!
クラブが振りやすくなる
先述した通り、ドライバーを短く持つと、カウンターバランス効果を感じることができ、クラブが振りやすくなります。
具体的にはヘッドが軽くなり、以下のメリットが生じます。
- ヘッドスピードの向上
- スイングのリズム・軌道の安定化
ヘッドスピードが向上すれば、飛距離アップを実現しやすくなり、スイングのリズムや軌道が安定すれば、ミスの減少を実現可能です。
ただし、ヘッドが軽くなった結果、手打ちになり、スイングが不安定になるといったリスクも考えられるので要注意です!
心理的な余裕が生まれる
「クラブが短い=簡単」と考える方も多いでしょう。
反対に「ドライバーやロングアイアンは長いから難しい」と苦手意識を持つ方もいるはずです。
つまり「難しいドライバーでも短く持てば簡単になる」と考えられるでしょう。
実際に安定感が増すのはもちろんですが「簡単に打てる」という意識から心理的な余裕が生まれ、自信を持ってティーショットに臨めるようになるはずです。
ゴルフはメンタルが結果を大きく左右するスポーツなので、ドライバーを短く持つメリットになりますね!
低弾道のボールを打ちやすくなる
先述した通り、ドライバーを短く持つとキックポイントが手元側になり、ボールの打ち出し角が低くなる傾向があります。
結果として、風の影響を受けにくく、安定して飛んでくれます。
また、ドライバーを短く持つとスピン量が減少する傾向があり、ボールの吹き上がりも防止しやすいです。
ドライバーを短く持つのが自分に向いていると判断したら、短尺ドライバーの購入もおすすめです!
ドライバーを短く持つ3つのデメリット
一方で、ドライバーを短く持つと、以下のデメリットが生じます。
- ヘッドスピードが下がる可能性がある
- スイングのバランスが変化する
- ボールが上がりにくくなる可能性がある
それぞれを詳しく解説します。
ヘッドスピードが下がる可能性がある
ドライバーを短く持つと、遠心力が使いにくくなり、ヘッドスピードが下がる可能性があります。
実際に、シャフトが1インチ短くなると、ヘッドスピードが1m/s程度下がるというデータもあります。
結果として、フルスイングで芯に当たった際の最大飛距離が低下する恐れがあるので要注意です。
しかし、ドライバーを短く持つとミート率が向上しやすいので、飛距離アップを感じている声も多いです。
また、カウンターバランス効果により、ヘッドスピードが向上する効果も期待できるので、一概には断言できないでしょう。
詳細なデータを踏まえて握る位置を決めたい方は、ヘッドスピードやミート率を測定してみてはいかがでしょうか。
スイングのバランスが変化する
ドライバーを短く持つと、スイングのバランスが変化します。
- クラブ重量のバランス
- スイングテンポ
- トップでの溜めの感覚
スイングに慣れるまでは一定の練習時間を要する可能性があります。
また、スイングによっては、ドライバーを短く持つのがどうしても合わないといった事態も起こり得るので要注意です。
まずは練習場で試してみるのが大切です!
ボールが上がりにくくなる可能性がある
ドライバーを短く持つと、ボールが上がりにくくなる可能性があります。
シャフトのしなりが減り、インパクト時の上向きの反発が減少するためです。
また、スピン量も減少する傾向があるので、もともとボールが上がらない人の場合、ボールがドロップし、飛距離が落ちる恐れがあります。
ドライバーを短く持つティーショットでよくある質問
ここでは、ドライバーを短く持つティーショットでよくある質問に回答します。
- ドライバーのグリップはどのくらい短く握るべき?
- 朝イチのティーショットだけドライバーを短く持つのはあり?
- アイアンやフェアウェイウッドも短く持つべき?
ドライバーのグリップはどのくらい短く握るべき?
ドライバーを短く持つ際は、グリップを3~5cm程度余らせるイメージがおすすめです。
もちろん、スイングの感覚は人によって異なるので、微調整しながら自分に合った長さを見つけましょう。
朝イチのティーショットだけドライバーを短く持つのはあり?
朝イチのティーショットだけドライバーを短く握る対策もおすすめです。
朝イチは体が温まっておらず、十分に回転しないケースが多いです。
結果として、振り遅れや手打ちのチーピンなどが出る恐れがあるので、飛距離よりも確実にOBを出さないことが大切です。
ドライバーのグリップを短く握れば、芯でボールをとらえやすくなり、ミスの幅も減少するので、朝イチのティーショットでもOBや林に打ち込む確率を下げられます。
アイアンやフェアウェイウッドも短く持つべき?
アイアンやフェアウェイウッドを短く持ってスイングするのもおすすめの選択肢です。
アイアンやフェアウェイウッドを短く持つことで、ミスの軽減や安定性の向上に繋がり、確実にグリーンをとらえやすくなります。
クラブを短く持つことで有名な今平周吾プロも、アイアンはピンに近づけるためのクラブであるため、当然短く持つ旨の発言をしています。
まとめ
本記事では、ドライバーを短く持つメリット・デメリットや、スイングに生じる変化などを解説しました。
ドライバーを短く持つことで、安定性や振りやすさの向上、心理的余裕などに繋がり、OBや林に打ち込んでしまうミスを軽減できます。
シャフトカットなどとは異なり、次回の練習から簡単に取り入れられるため、まずは自分に合っているかどうかを試してみてはいかがでしょうか。
ティーショットの安定性が向上すれば、パーチャンスが増え、スコアアップに大きく近づけるので、ぜひ参考にしてください。
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