「ユーティリティの打ち方はダウンブローとレベルブロー(払い打ち)のどっち?」
このように考えていますか。
結論から述べると、ユーティリティは限りなくレベルブローに近いダウンブローが正解です。
適切なダウンブローでユーティリティを打てれば、ミスショットが減少し、スコアアップに大きくつながります。
本記事では、ユーティリティを適切なダウンブローで打つために重要な要素や意識、練習方法などを解説しているため、ぜひご覧ください。
ユーティリティは限りなくレベルブローに近いダウンブローがおすすめ
ユーティリティは、限りなくレベルブローに近いダウンブローがおすすめです。
具体的には、以下のようなイメージです。
- アイアンよりも入射角が浅い緩やかなダウンブロー
- ボールの先のターフがほんの少しだけ取れるダウンブロー
実際に、プロゴルファーもユーティリティをダウンブローでインパクトしています。
トラックマンの調査によれば、PGAツアーのトラックマン平均値におけるハイブリッド(15~18度)の入射角は-3.5度です。
つまり、インパクト時は-3.5度の角度でダウンブローになっています。
LPGAツアーについては、ハイブリッドの値が記載されていませんが、ロフト角20~22度程度の7番ウッドの入射角が-3.0度のダウンブローとなっています。
そのため、女子プロもユーティリティを緩やかなダウンブローでインパクトしていると予想できるでしょう。
アベレージゴルファーのヘッドスピードを加味すると、男子プロよりも女子プロの値の方が参考になるかもしれません!
番手・ロフト角による入射角の違い
一言でユーティリティといっても、番手やロフト角はさまざまです。
そして、ユーティリティの入射角は、番手・ロフト角によって異なる点に留意してください。
基本的に、ロフト角が大きくなるほど(フェースが寝るほど)ダウンブローの入射角が大きくなります。
一方で、入射角が小さい2番ユーティリティのような番手は、限りなくレベルブローに近いダウンブローの軌道になります。
ただ、番手・ロフト角の違いによってスイングを大きく変える必要はありません。
スイングを変えずとも、クラブの長さやボールの位置の違いによって自然に入射角が変わるのが理想です。
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ユーティリティにダウンブローは不要?
中には「ユーティリティにダウンブローは意味ない」という意見もあります。
現在のクラブは性能が高く、レベルブロー(払い打ち)で打っても高弾道かつ安定した飛距離を出せるという考えがあるためです。
確かに、現在のユーティリティはレベルブローでも安定したショットを実現できます。
過度にダウンブローを意識してミスをするなら、レベルブローで安定したショットを打てる方がスコアアップを見込めるはずです。
使用するクラブや個々の特性によっては、レベルブローの方が安定性や飛距離が出る可能性がある点に留意してください。
ただ、PGAプロの測定結果を見ると、ダウンブローが理想の1つであるということは間違いないはずです。
目的はダウンブローのスイングそのものではなく、ショットの安定性や距離アップということですね!
ユーティリティを正しいダウンブローで打つための3つの要素
ユーティリティを正しいダウンブローで打つには、特に以下の3つの要素が重要となります。
- ハンドファースト
- コッキング
- 体重移動
各要素を詳しく解説します。
ハンドファースト
ハンドファーストとは、アドレスやインパクト時にヘッドよりも手元がターゲット方向に先行している状態を指します。
適切なダウンブローでユーティリティを打つには、ハンドファーストのアドレス・インパクトが重要です。
ハンドファーストのスイングは、インパクトで左足に体重が乗りやすく、ヘッドがダウンブローに入りやすくなります。
また、ハンドファーストのスイングには、以下のようなメリットもあります。
- ロフトが立ってインパクトするから飛距離が伸びる
- バックスピンがかかり高弾道なショットになる
- クラブフェースが閉じるのでスライスを改善できる など
コッキング
コッキングとは、スイング中に左手首を親指側に曲げる動きを指します。
ポイントは、ダウンスイングでコックを維持し、インパクト直前に開放することです。
コックを維持してダウンスイングを行うと、クラブが鋭角に入りやすくなり、ダウンブローのスイングに近づきます。
また、コッキングを維持してインパクト直前に開放すると、ヘッドが加速して飛距離が伸びる要因にもなります。
一方、コッキングができていないと、ヘッドの最下点がボールより右になり、あおり打ち(すくい打ち)になってしまうため要注意です。
体重移動
ダウンブローでスイングするには、トップからダウンスイングにかけて右足から左足に体重移動し、左足体重でインパクトを迎えることが大切です。
体重移動がしきれず、右足に体重が残っていると、ヘッドの最下点がボールよりも右になり、あおり打ち(すくい打ち)になりやすいです。
また、適切な体重移動によってクラブの力がボールに伝わりやすくなり、飛距離アップにもつながります。
ただし、体全体が横に流れる「スウェー」やトップで体の軸が左に傾く「リバースピポット」には注意が必要です。
体重移動が苦手な方は、アドレスからインパクトまで一貫して左足に重心を置く「左一軸打法」もおすすめです!
ユーティリティを正しいダウンブローで打つための3つの意識
ユーティリティを正しいダウンブローで打つには、以下の3つの意識が大切です。
- 強く打ち込む意識を持たない
- ボールを上げようとしない
- 複雑な動きをしない
ここでは、各要素を詳しく解説します。
強く打ち込む意識を持たない
ユーティリティを適切なダウンブローで打つには、強く打ち込む意識を持たないことが大切です。
ユーティリティはレベルブロー(払い打ち)に近いダウンブローで打つのがおすすめですが、打ち込む意識が強いとダフリのミスが出る原因となります。
また、ダフらずインパクトできても、以下のようなミスにつながる恐れがあります。
- インパクトロフトが小さくなり飛距離ダウン
- フェースが閉じチーピン など
強くダウンブローを意識せず、アイアンの延長線というイメージを持てば、自然なダウンブローに近づくはずです。
ボールを上げようとしない
ユーティリティのショットでは、ボールを上げようとする意識は不要です。
ボールを上げる意識が強いと、あおり打ち(すくい打ち)のスイングとなり、以下のようなミスショットが出る恐れがあるので注意しましょう。
- 最下点がボールより手前になりダフる
- 最下点がボールより手前になりトップする
- 右肩が下がり、フェースが開いてインパクトし、スライスが出る など
ユーティリティはロングアイアンよりも重心位置が深く、FP値も大きいので、レベルブロー(払い打ち)やダウンブローで打っても、自然にボールが上がってくれます。
「スイングで上げる」ではなく「クラブのスペックで上げる」という意識を持つことが大切ですね!
複雑な動きをしない
ユーティリティのスイングは、複雑な動きをしないことが大切です。
「アイアンより飛ばさないといけない」や「簡単なクラブだから絶対にミスをしてはいけない」などの意識から、余計な動きが入ると、かえってミスが出る原因となります。
基本はユーティリティであってもスイングは変えず「アイアンの延長線」を意識しましょう。
スイングは同じでもクラブの長さやロフト角、ヘッド形状の違いによってしっかりと高弾道かつ高飛距離のショットを実現できます。
どうしてもユーティリティでミスが出る場合は、スイング幅を小さくして「極限までシンプルなスイング」を意識しましょう!
ユーリティリティを正しいダウンブローで打つための4つの練習方法
ここでは、ユーティリティを適切なダウンブローで打つための練習方法を4つご紹介します。
- ガムテープドリル
- 片足打ち
- スプリットハンドトレーニング
- ダウンブローのインパクトの形を覚えるドリル
繰り返しになりますが、ユーティリティのスイングはアイアンの延長線です。
まずは6~8番アイアンで練習し、ダウンブローの感覚をつかみましょう。
ガムテープドリル
ガムテープドリルとは、ガムテープをボールの前方・後方に貼り、スイングの最下点をチェックする練習ドリルです。
ショット時に剥がれたガムテープの位置によって、スイングの傾向をつかめます。
- ボールの後方(フォロースルー側)のみ剥がれた:ダウンブロー
- ボールの前方(バックスイング側)のみ剥がれた:ダフリ
- 両方剥がれた:レベルブローorすくい打ち(あおり打ち)
- 剥がれない:トップ気味
練習場のマットは、多少ダフってもヘッドが滑ってボールが飛んでくれます。
「適切にインパクトできている」と思っていても、実はダフっているといった例もあるため要注意です。
まずはガムテープドリルで、自身のスイングの現状を把握することをおすすめします。
ダウンブローを習得したい方は、ボール後方のガムテープだけを剥がせるスイングを目指しましょう。
片足打ち
片足打ちとは、片足一本に体重を乗せてアドレスを取り、ボールを打つ練習ドリルです。
ユーティリティのダウンブローを習得したい方は、左足一本(右打ちの場合)でボールを打つ練習をしましょう。
片足打ちの練習を取り入れると、左足重心でインパクトを迎える感覚を習得できます。
先ほども触れた通り、ユーティリティをダウンブローで打つには、トップからダウンスイングにかけて体重移動を行い、左足重心でインパクトを迎えることが重要です。
体重が右足に残ったままだと最下点がボールより手前になりやすいので、体重移動が苦手な方はぜひ取り入れてください。
スプリットハンドトレーニング
スプリットハンドトレーニングとは、右手と左手を離してグリップを握る練習方法です。
拳一つ分程度右手と左手を離してグリップを握り、実際にボールを打ちましょう。
スプリットハンドトレーニングを行うと、最下点が右になるすくい打ち(あおり打ち)ができなくなり、上から打ち込むスイングを習得しやすくなります。
また、スプリットハンドのスイングは、自然にコックが作られている状態を作れます。
トップから左手主導のスイングを意識すれば、アーリーリリースを防止でき、コックを維持したままスイングが可能です。
ダウンブローのインパクトの形を覚えるドリル
以下の流れでダウンブローのインパクトの形を覚える練習もおすすめです。
- 通常通りボールをセットする
- 理想のダウンブローのインパクトの形を作る
- インパクトの形のままボールを前方に転がす
インパクトの形や感覚を体に染み込ませることで、実際にスイングした際にもキレイな形でインパクトを迎えられるようになります。
また、正しいインパクトの形から逆算してスイングの軌道やトップの位置を確認できる点もポイントです。
まとめ│ユーリティティを使いこなしてスコアアップを目指そう
今回は、ユーティリティの入射角をダウンブローで打つべきか、レベルブロー(払い打ち)で打つべきかをご紹介しました。
ユーティリティの理想の入射角は「限りなくレベルブロー(払い打ち)に近いダウンブロー」です。
「アイアンより緩やかなダウンブロー」とも言い換えられるでしょう。
ユーティリティの適切なダウンブローを習得できれば、安定性や飛距離が向上し、スコアアップに大きく近づけます。
本記事で紹介したポイントや練習方法を取り入れ、ユーティリティのミスを激減させましょう。
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